人間とは弱い生き物である。
目の前に欲しいものがあったら手に取ってみたくなるのは誰しもがそうだろう。
特にそれが自分の欲と直結している場合ならなおさらだ。
例えばダイエット、太っている人間が己の欲(食欲)を断ち、辛い運動を行うという試練を乗り越えられる者だけが手にできる「痩せた身体」という結果。
そして、太った人間が痩せるというは、現時点で手に入れることができる「欲」をあえて手放すという事である。
「痩せる」というのは、人間の3大欲求である「食欲」「性欲」「睡眠欲」という生存に関連する「欲」のなかの一つの「食欲」を制限することなのである。
痩せたいという「欲」が生存本能である「食欲」をも上回った時にしか成功しないのは当然のことと言える。
一番効果がある「欲」は「もてたい」という「性欲」から起因する「痩せたい欲」だろう。
これは気に入った相手を手に入れるために外観を良く見せたいという欲であり、そのためには食事すら食べることを制限するだけでなく、綺麗に痩せるために運動をすることもできてしまう。
これが中年になると、「もてる」という事がなくなる。無くなりはしないが、その可能性は年齢を重ねるほど減っていく。
少し前「歳の差婚」というのがもてはやされたが、あれこそ中年の欲望をついた格好のネタだったろう。
「もてたい」という欲は多分死ぬまで無くなることはないだろうが、「もてる」可能性が無くなるというのは「痩せたい」と思う最大欲求が無くなってしまう。
「性欲」ではなく、「健康維持」などでは目標が立てにくく、痩せる努力がしにくいのだ。その上、新陳代謝が年齢を重ねるほどに落ちてしまうので、若いころより努力をしなければ痩せられない体になっている。
それほど「中年ダイエット」というのはリスクが大きい割に、リターンが物足りなさを感じる行為なのだ。
あくまで一般論で、私が痩せることに関して昔より貪欲さがなくなった理由付けをしているわけではない。
しかし、病気になって食事制限など外的な機関からの脅しがない限り、なかなか難しい行為になったのは確かだ。
いや、体重が減らないっていいわけじゃないよ。無いんだってば!
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