ジビエ料理を食して思う事

ジビエ料理
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今年は暖冬ということもあり、シカやイノシシの数がかなり増えているらしい。

私の住む岐阜県の平成26年度に捕獲された獣の数はイノシシ1,500頭、シカ400頭。

捕獲されていない数はこの何倍になるかはわからないが、それだけいたら山に餌はなくなり、里に下りてきて畑を荒らすのはある意味当然だともいえる。

農家の人はたまったものじゃない。実際、昨年の日本全体の鳥獣被害は7000億とも言われていて深刻な事態になっている。私の知り合いの農家の人も、育てた野菜を根こそぎ食べられてしまい、次に作るのを躊躇してしまっている。

鳥獣被害というのは人間側の一方的な言い分ということはわかってはいるが、鳥獣が増えすぎるのは農作物を荒らすという問題だけでなく、山の自然植物も食べつくし生態系を変えてしまうという可能性も含んでいる。

そんな中、イノシシ、シカなどの有害鳥獣捕獲を強化するとともに、その獣肉(ジビエ)を資源として活用して地域活性するという機運が高まってきている。

本日はその一環として、ジビエ料理講習が開かれたので参加してきた。

私は調理師免許を持つ狩猟ハンター(駆け出し)なので、ジビエ料理に対して色々な思いがある。

それは、自分の責任で生を絶ったものに感謝し、無駄にせずしっかり食べるようにしたいという事。

人間というのは罪深き生き物である。

人間は肉を喰い、魚を食い、コメや野菜を食う。

それらすべて生き物を殺生することで手に入れる食い物だ。

ベジタリアンと自称する菜食主義者の人たちの中には「私たちは殺生をせず、野菜や穀物だけを食べている」とかいう人もいるが、野菜や穀物を含む植物だって生きているのだ。ただ切ったり割いたりするときに悲鳴を上げたり血を流したりしないだけで、生物には変わりない。

それを棚に上げて、牛や豚、魚を食う人達を否定するのは私は納得がいかない。

それより質が悪いのが「ステーキ食べたーい」「お寿司食べたーい」という割に、「ウリ坊(イノシシの子供)やシカを殺して食べるなんて信じらんない」とかいう人達もいる。

家畜は生き物ではないのか?おいしそうなフィレ肉だって、マグロの刺身だって、元は生きていた牛であり魚なのだ。

食するために殺生した生き物に感謝することが大切

自分たちは手を汚さず、加工されたものばかり食べているから食物に対するありがたみが薄れているのだと思えてならない。ステーキ肉になる前の生きた牛を知るべきだし、自分たちが生かされているのは、生あるものを殺して喰っているからだということを再認識する必要はあるんじゃないかと思う。

なにも殺生からやれとは言わないが、自分たちが美味しいと食べているステーキ肉が食べるために育てられた牛だという事を心の隅に意識すべきだろうし、自分たちの食糧になった生き物たちに対して「ありがとう」の気持ちを持つべきだろう。

日本人の半分でもその気持ちを持つことができれば、年間1800万トンとも言われる日本の食糧廃棄量を減らすことができると思う。

話がそれてしまったが、今日のジビエ料理講習はそんなこんなを考えながら受講していた。そして料理されたイノシシ肉もシカ肉も臭みもクセもなく、とても美味しかった。

私は俗物なので、イノシシ肉の燻製を作ったらおいしそうだとか考えてしまう。近々燻製室を作るような気がする。

人を変えることは難しいので、まずは私自身がもっと食に対し感謝し無駄をなくすように意識していこうと思う。

 

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一度きりの人生、可能な限り自分の好きな事や夢を実現して楽しい毎日を過ごしたいと考えている「ミレニアム・ファルコン」をこよなく愛す中年です。