宮沢りえ主演「紙の月」今さらながらのレビュー

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まったくもって今更なのだが宮沢りえ主演の映画「紙の月」を観た。

公開時から気になっていたのだが観るタイミングがなかった。

しかし観て良かった、予想以上に面白かった。

「銀行員が客のお金を横領する」というざっくりとした前情報だけだったのも良かったのだろう。

「紙の月」は小説が原作だったと思うが映画というのは先入観なしで観るのが一番だ。

この映画で一番印象に残ったのは主人公の梅澤梨花演じる宮沢りえが早朝の駅のホームで空にかかる月を指でなぞるシーン。

手の届くはずのない月を指でなぞると消しゴムで消すように月が消えていく

それは真面目だった主人公が横領に手を染めていくきっかけとなる出来事というだけでなく、全編通してリアルな内容の中で唯一幻想的なシーンだった。

結局のところ、若い男に貢ぐ金欲しさに着服を繰り返すという話なのだが、人間一度タガが外れると後戻りできなくなるという典型的な例ともいえる。

ただ、気になる描写が何カ所かあった。限られた時間で表現する必要があるのだろうが、愛人となる池松壮亮演じる光太と関係を持つシーンも突然すぎて微妙な感じだった。

まぁ夫との関係がうまくいっていない時に自分に気があるような行動をする若い男がいたら気持ちが揺らぐものなんだろうと考えられなくもないが・・・

個人的には「ぼくらの七日間戦争」の頃の健康的な宮沢りえの方が好きなのだが、静かでお嬢様的な雰囲気のある「紙の月」の宮沢りえも悪くない。

ただ、ほうれい線は気になるなぁ。貴乃花との破局した時の激ヤセがいまだ影響してると思うとそれはそれで切ない。

もう一つ、公開時に物議をかもしたと言われるオチ。

これは私も「そうなの?」と思ってしまった。

決して悪いとは言わないが物語終盤800円のランチ代すら財布に入っておらずカードも使えなくなってしまった人間が選択できる行動とは思えなかった。

でも実際、銀行マンは顧客の財産状況や家庭環境知る立場にあることを考えればこのような顧客の財産を着服するという事件は起こっても不思議ではない。

わたしが取引している銀行は辞令がでてから3日間で移動先の支店に向かうシステムになっているだけでなく、先日も夏休みを強制的に取らされ、その間に顧客先に上司が訪問して現在の状況などを確認にくるほどの監視体制なので不正もできそうもないが・・・

財産もそれほど持っているわけではないので被害者にはならないだろうけど今もどこかで同じような事件は起きてるんだろうなぁとリアルに感じさせる映画であった。

 

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一度きりの人生、可能な限り自分の好きな事や夢を実現して楽しい毎日を過ごしたいと考えている「ミレニアム・ファルコン」をこよなく愛す中年です。